AISとは 以下、海上保安庁HPより
-----------------
● AIS(Automatic Identification System) 船舶自動識別装置とは
AISは、船舶の識別符号、種類、位置、針路、速力、航行状態及びその他の安全に関する情報を自動的にVHF帯電波で送受信し、船舶局相互間及び船舶局と陸上局の航行援助施設等との間で情報の交換を行うシステムです。
-----------------
GPSが発達したおかげで、自船の位置を正確に知ることができるようになりました。
この位置情報などを近くにいる船で教え合えば、他船の状況が明らかになり海上での衝突を未然に防ぐことができます。
大きな船ではAISの搭載が義務付けられていますが、小さな船にはこの義務はありません。
小さなヨットでもAISを受信して他船の位置を知り、GPSで自船位置を知れば近くにどんな船がどの方向、距離にいるかがわかりますから航海の安全度は高くなります。
AISの場合、信号の受信、デコードにAISDeco2、海図や他船表示にOpenCPNというソフト(どちらもフリー)を使います。
これは、気象FAXとNOAAの場合がサウンド信号に復調してから表示ソフトのデコード機能を使ったのと方式がちょっと異なります。同様な方式のソフトにKG-AISというのがあるのですが、現在は入手できない(試用版のみ可)なのと海図が日本近海しかないのであきらめます。
AISDeco2とOpenCPNのインストール、設定はここに詳しいです。
RTL-SDR Tutorial: Cheap AIS Ship Tracking
ここのリンクからAISDeco2とOpenCPNをDL,インストールしてください。
AISDeco2はDOS窓のコマンドラインで動く、一見素朴なソフトですがすごい能力を持っています。
・Tuner(ドングル)の周波数設定
・AIS 2波の同時受信
・デコードした文字列のプロッターへのUDP出力
AISDeco2.batに利得、周波数オフセットを記載して再saveします。 49.6dB、2ppm,
----------------
@echo off
cmd /c aisdeco2.exe --gain 49.6 --freq-correction 2 --freq 161975000 --freq 162025000 --net 30007 --udp 127.0.0.1:4159
PAUSE
exit
----------------
AISDeco2.batをでクリックして実行すると、地味なDOS窓が現れれば成功です。
注意点としてSDRsharpを起動しておくとドングルが使われているため動作しません。
また周波数オフセット0(ずれ無し)は想定していないようで設定すると立ち上がりませんでした。
立ち上がった状態でAISが受信されると、船の情報(文字)が次々と表示されていきます。
この情報がOpenCPNに表示されます。
OpenCPNを動かす。
OpenCPNは機能てんこ盛りの海図ソフトで
・海図の表示
・他船位置表示(AIS併用)
・自船位置の表示(GPS外付け)
・接近警報
・などなど
とても奥が深いようです。
フリーのソフトで魅力的ですが英語なのと、日本近海の海図の入手が難しそうです。アメリカ沿岸地図はWebからDLできます。
またGoogleMapとの連携もできるようです。(未確認)
多くのプラグイン(追加ソフト)があって機能を増やせます。
とりあえず起動してAIS情報をプロットさせるだけならそう難しくありません。
インストールして実行すると、難なく地図が出てきます。
レンチのツールをクリックして設定を行います。
Network,UDPを選び、Addres,DataportをAISdeco2にあわせれば設定終了。
AIS情報を発信している船が地図上に表示されます。
日本の船は陸地も走る??
近接警報も知らせてくれます。赤い船は近いぞ!!
レーダープラグインで監視
AIS受信のアンテナ
気象衛星が頭上に見えるのに対して、船は水平線上にいますからアンテナも水平方向の電波を拾いやすいものが適します。
ヨットにはVHF無線用のアンテナがついているので、これを切り替えて使えば良いです。実験にはハム用の144MHzGP(ホイップ)のエレメントを少し短くして162MHzで使えるよう改造しました。(写真取り忘れ)
GPSの設定
USBタイプの
”SiRFstarIII GPSチップ 内蔵 アンテナ 一体型 GPS 受信機 BU-353S4 GPS レシーバー (GlobalSat IC使用)”
をAmazonで買って接続しました。
注意するのは設定したUSBコネクタ以外では認識されないこと。複数のUSBコネクタのうち使用する位置を決めておく必要があります。
このBU-353というのはメジャーなインターフェースらしく、OpenCPNのUserManual
GPS Setupの章をそのままトレースすることで使用可能になりました。
ポイントは、
・デバイスドライバのインストール 付属CDからでは無くネットから最新版DL
・COMポート 4800bps、8bit、NoParityに設定
・OpenCPN側にconnection SerialとCOMportを追加
このGPS受信機、感度が良くて室内でもOpenCPNの赤い船マークをクリックすると自分の位置が地図上に表示されました。